木枯らし一号

華やかなポスターを
ひきちぎる風が吹く
もうこんな木枯らしが
街を過ぎる

夢うつつの 夏秋とは
お別れね また だんまりね
あと三月(みつき)は 人生など
考えて 生きましょう

寒がりの男と女が寄りそう
そんなの厭ね
さびしさが愛する理由になったら
切ないでしょう
それじゃ それじゃ またね

黄昏の口笛に
似たような風が鳴る
坂道を空缶が
転げ落ちる

ハイヒールの千鳥足も
おしまいね もう 出来ないね
お遊びなら 春の日まで
おあずけが いいでしょう

ありふれた男と女であっても
いきがりたいね
木枯らしの一号吹く日が記念日
いいものでしょう
それじゃ それじゃ またね

ありふれた男と女であっても
いきがりたいね
木枯らしの一号吹く日が記念日
いいものでしょう
それじゃ それじゃ またね

それじゃ またね…
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