55ページの悲しみ

留守番ついでに 部屋を片づけ始めた
机の上の本たち みんなほこりまみれ
ふと手にした時 舞い落ちた手紙ひとつ
あなたに宛てた きれいな文字に 心震えた
いけないことだと 言いきかせてみたけど
二人の仲なら 許してくれるわ
疑惑に勝てずに 祈る気持ちで開けば
秘密の愛の言葉に 涙がにじんでいった

昨日の日付に 初めて知る裏切り
こよなく愛した あなたは罪人

あなたに代われる 人も場所も見あたらず
何も知らない自分を 装うだけがすべて
手紙を戻した あの55ページには
気づかれることのない 悲しみが眠っている
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