紙の頁

「愛してる」と男が言う
女は頷く 笑う
広い胸に抱かれていく
場面が変わる

読みかけの物語に
昨夜の自分重ねてさ
このまま幸せな結末を祈るけど

どうしたって枠からはみ出してしまう
余計な一言であなたは去って行ってしまう
涙で よれてる
紙の頁

「さようなら」と嘘をついて
女は逃げる
すぐに男の足がそれに追いつき
抱きしめ合う

泣いて笑って
物語は美しく終わる
読み終えた現実の
悲しみが纏わりつく

寂しさで物語に逃げ込んでも
ひとりの部屋は
静かすぎて息が詰まる
涙で 読めない
紙の頁

アイシテイル
I love you.
愛している

どうしたって枠からはみ出してしまう
余計な一言であなたは去って行ってしまう
涙で よれてる
紙の頁
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