遠きふるさと

夏の終りの花火を見上げ
想い出すのは笑顔の君さ
巷(まち)の暮しに目処さえつけば
明日(あした)と云わず今すぐに
逢いに行く 夜汽車に乗って
あゝ遠き ふるさとよ

わざと零(こぼ)した徳利の酒に
うかぶ姿はきまって君さ
左手酌も目処さえつけば
直ると思う そのうちに
恋しいよ 家路の灯
あゝ遠き ふるさとよ

秋の夜嵐 これ幸いに
叫ぶ名前はやっぱり君さ
夢を果たせる 目処さえつけば
一緒になろと云えるのに
儘(まま)ならず 溢れる涙
あゝ遠き ふるさとよ
×