陽炎

汚れた靴でバスを待ってる
そこから伸びる影を見てた
記憶の淵で流れるメロディー
確かめながら口ずさんだ

無くした君が大切なんだと
途切れた唄は震えていた

さよなら君は枯れゆく花のように
風を連れて空に舞い上がる
見上げた声は霞んでただ消えて
気づくとまた涙落とす
雨をはじく…刹那にふれる…そっと…

来るはずのない君を待ってる
風になびいて髪が揺れた
まぶたの側でくすぶっている
陽炎がまだ消えずにいた

落としたものは膨らんでゆく
無くした君は陽炎に

さよなら君は薄れゆく記憶の中
今でもまだ美しく咲いてる
見つめたはずの陽炎はただ揺れて
手を伸ばすと音を立てた
雨をはじく…刹那にふれる…そっと…

さよなら君は枯れゆく花のように
風を連れて空に舞い上がる
見上げた声は霞んでただ消えて
気づくとまた涙落とす
雨をはじく…刹那にふれる…そっと…

そっと…
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