私が育った港町

夜汽車のデッキに
涙を捨てて来たつもりですけれど
夜の九時過ぎの港は暗い
カモメもいやしない さみしいものです
また涙にむせぶ人を愛して裏切られ
人につくして 捨てられた
女ですもの
誰にも知らさず 誰にも知られず
帰ってきたのです

小さな港に小さな漁船が
イカリを下ろしてる
ブイの赤い灯も昔のままね 海もまだ青いし
私が育った 海鳴の町は
人の情けがある所
華いだまちの匂いとは違うはずです
夜明けの海を港でむかえるの何年ぶりかしら

群れなす海鳥 岬の灯台
幼ない日々の想い出と
潮の香りがする町へと帰って来ました
きっといい人にめぐり会える様両手を合わせて
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