船場の男

七つ転んで 八つで起きる
それが浪花の 土性ッ骨
暖簾ひとつに 命をかけた
親の血潮が
わいのからだに 脈を打つ

「みんな老舗が恐いのやろ、せやから、どさ
くさにまぎれ込んで、寄ってたかって、わいの
息の根を止めたいのやろが、そうはいかへん
で。わいも死んだ親爺の子や。お前らとは根
性が違うわい。」

誰が言うたか 商いの道
あかず苦労を しょって行く
船場そだちは 男の男
泣くな騒ぐな
時の流れの 浮き沈み

「金儲けだけにあくせくするような奴は何百年
もつづいたこの船場には、一人もおりまへん。
商売は人間がするもんや。今にわかる、暖簾
の力がなあ。」

やると決めたら 後には引かぬ
意地は老舗の 名にかけた
捨身一番 太閤はんの
城に顔向け
出来る明日を 見ておくれ
×