ラ・ボエーム

モンマルトルの アパートマンの
窓べに開く リラの花よ
愛の部屋で ぼくはいつも 絵を書いてた
いとしい人 君をモデルに
愛し合った 君とぼくの 二十才(はたち)のころ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム 幸福(しあわせ)の夢よ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム 根のない草花

すいた腹を かかえながら
虹のおとずれ 夢見ていた
仲間たちと キャフェの隅で
ボードレールや ベルレーヌの 詩を読んでいた
愛し合った 君とぼくの 二十才のころ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム きれいだった君よ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム 夢みるさすらい

君の胸や 腰の線を
書いては消して 夜を明かし
朝になると コーヒーなど 飲んで語り
夢を見たね 愛のねむりに
愛し合えば 感じないさ 冬の寒さ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム 青春の唄よ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム 儚(はかな)く麗(うるわ)しい

ある日のこと 君とぼくの
愛の街角 尋ねてみた
リラも枯れて アパートマンの 影さえなく
歩きなれた 道も消えてた
若き日々の くつの音は 聞こえなかった
ラ・ボエーム ラ・ボエーム かえらぬ夢よ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム いちまつの夢よ
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