いたずらがき

私はあなたに問いかけた
あなたは決して答えなかった
そのかわりいつもきれいな笑顔を見せた

あなたの残していった思い出は
ジグソーパズルのひとかけら
過ぎた夏の風景のどこにもはまらない

まっ白い紙を前にして
いたずらがきしか書けない私
木もれ陽は写真の中で今もまぶしい

あなたの忘れていった音楽は
かすれた口笛のハ短調
過ぎた夏の青空に今日もこだまする

私はあなたに問いかけた
あなたは決して答えなかった……
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