トニーの唄

青い海辺に
白いスポーツカーを
止めて たたずむ青年が一人
あかがねに 陽(ひ)に灼(や)けた
横顔に きらめくは
夏の憂(うれ)いに 満ちたまなざし
遠い向こうの 水平線を
みつめてたたずむ 青年が一人

白い砂浜に
書いたその名前
赤い夕陽で トニーの文字が
貝がらで 輝いて
空高く 唄ってた
波のうたごえと コーラスになり
青い海原に 想いをはせながら
明るく笑った 青年が一人

あの夏の人を
夢にたどりながら
今来てみれば ただ白い浜辺に
たわむれる 波の音
海鳥の ひとりごと
あの日のあの人の 面影はなく
青い海原に 想いをはせながら
明るく笑った 青年よいずこ
トニー トニー トニー トニー
×