恋文しぐれ

ひとりの夜は 淋しくて
心に浮かべる 面影よ
今も恋文 捨てられなくて
インクの匂いの なつかしさ
読めばせつない
窓にそぼ降る 小夜(さよ)しぐれ

この町捨てて 二人して
出直す約束 したものを
私あの時 意気地がなくて
あなたを一人で 乗せた汽車
遠い思い出
雨も優しい 夢しぐれ

悔んでみても 遅すぎる
月日の流れは 走馬灯
ふたりも一度 逢えるでしょうか
小指でなぞった 男文字
涙あふれて
今も待ちます 恋しぐれ
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