日向灘

ひむかの朝日が 熱く燃えて登るぜ
真っ赤に染まる ともべりに
親父が仕留めた 大物の
いのちの傷跡 男の血が騒ぐ
潮吹き破れ 何度も縫った
大漁旗は お袋さんのぬくもりだ

あの娘(こ)に貰った 赤い薔薇の花束
祝いに添えて 花言葉
あなたに想いを 託します
舳先(へさき)に飾って 今日から二代目さ
黒潮抱いた 母なる空に
万里(ばんり)を越えて ふたりの花が咲くだろう

さばさばするぜと 寒い洒落など言うなよ
かつおが来るぞ ごつごつと
まぐろは悠悠 群れてくる
おごじょを待たせて 山椒(さんしゅ)に鈴かけて
夢追い船は 海原暮し
ひむかの沖に 稗搗節(ひえつきぶし)が届くのさ
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