想い出にできない

悪い女と
罵ってと言いたげに
下手な嘘をつく
おまえのくちびる

抱きあう誰かがいることも
気付いてて なぜ切り出せない

いま寂しさという海を泳いでる
ふたり 迷いながら

何処へ行くのか 運命(ほし)の予言にも
遠いさよならを聞いて

俺の弱さを
責めるように微笑んで
細い指先は
ボタンをはずした

心をかすめる憎しみも
想い出にまだできないまま

ただ瞳を閉じて 幸せな頃の
ふたり 演じている
壊れてはまた胸に打ちよせる
愛はさざ波のように

せつないおまえの裏切りに
黙りこむだけが優しさか

いま寂しさという海を泳いでる
ふたり 迷いながら
その腕をまたきつく抱きよせる
つらいだけとわかってて
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