関の弥太っぺ

春に不向きな 水葬いが
甲州街道に また一つ
死んだ佛の 残した荷物
じっと見つめて 弥太っぺやくざ
顔で泣かずに 腹で泣く

北へ転がり 東へ流れ
旅の噂を 追いかけて
来れば渡世の 掟を外に
ケチな野郎の 人情騒ぎ
雨よ宿場の 先で降れ

数え八年 丸七年目
可愛い蕾が 花になる
嬉しうござんす この想い出を
関の弥太っぺ 大事にします
胸にしまって あの世まで
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