おしどり道中

惚れてなるかと 浅間のからす
気障なせりふを 二つ三つ
情け知らずと 嗤(わら)わば嗤え
これがやくざの 泣きどころ

泣けと云うなら 泣いても見せる
死ねと云うなら 死にもする
野暮な野郎で ム(ござ)んすけれど
惚れた気持にゃ 嘘はない

馴れた草鞋(わらじ)も 日昏れにゃゆるむ
ましておしどり 二人旅
聞いてくれるな 草鞋のことは
どこで解こうと 結ぼうと
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