言ノ葉

言ノ葉 唯 唯
想ふ程 遠ざかる
影模様に 響き渡る 蝉時雨

詩へば 恋 止め処なく溢る
咲くのは 花 夢幻

それは それは 時の彼方へ
淡く 淡く 尚 儚く
やがて やがて 泡沫と消えて行くだろう

言ノ葉 唯 唯
一人きり 浮かべては
繰り返して 欠片を探して
それでも 唯 唯
想ふ程 遠ざかる
影模様に 響き渡る 蝉時雨

綴れば 恋 止め処なく溢る
望むは 天 梅雨空雲

それは それは 凪の水面に
清か 清か 未だ 消えずに
刹那 刹那 心を締め付け続ける

言ノ葉 唯 唯
一人きり 奏でては
風に乗せて 空へと還して
それでも 唯 唯
紫陽花は 雨道に
慈しみの 色湛えて 咲き誇る

不意に 耳掠めた 声に 足を止めて 振り返れど…

言ノ葉 唯 唯
一人きり 浮かべては
繰り返して 欠片を探して
それでも 唯 唯
想ふ程 遠ざかる
影模様に 響き渡る 蝉時雨
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