海峡夜明け前

港の霧笛に 急かされながら
無口に改札 くぐります
昨日届いた あなたの手紙
読んで何度も 泣きました
手荷物ひとつで 船に乗る
海峡は 海峡は あゝ夜明け前…

こころの迷いを 振りきるように
岬の灯台 見ています
待っているよと 書かれた文字が
胸のなみだを また誘う
帰ってゆけない 戻れない
故郷へ 故郷へ あゝあの町へ…

飛沫がとび散る 船室の窓で
口紅も一度 引き直す
好きなあなたに 寄り添いながら
生きてゆくのよ 明日から
逢いたい想いが こみあげる
海峡は 海峡は あゝ夜明け前…
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