吹雪の宿

夢の糸なら ちぎれても
ふたりでいるなら つなげます
これが運命(さだめ)と こころに決めて
赤い糸だけ 信じます
外は吹雪の 江差の宿は
羽を寄せ合う カモメ島

津軽海峡 雪すだれ
海鳴りまじりに 母の声
「置いて行くの」と かよわい指が
今も袖口 離さない
凍(こお)る吹雪の 竜飛の宿は
胸に汽笛が 刺さる宿

生きてゆくなら 涙など
何度も拭(ふ)きます 流します
いつか笑って 話せるような
今の苦労に してみせる
能登は地吹雪 輪島の宿は
ランプみつめる ふたり影
×