かもめ町一丁目

吐息しぼって寝返り打つと
波止場のかもめが夜啼(な)きする
右の枕はあんたの陣地
あれからぽっかりあいたまま
海の男は遊んでなんぼ
惚れたら負けよと笑われて
膝っこまるめて浜歌うたえば
あんた恋しと恋しと涙がしける

星の数ほど男はいると
姉さん強がり言うけれど
潮が引いてもからだは残る
あん時いっしょに濡れたまま
海の男は暴れてなんぼ
信じちゃ駄目よと泣かされて
漁(いさ)り火ゆらゆら思い出たどれば
未練あふれてあふれて背中がしける

膝っこまるめて浜歌うたえば
あんた恋しと恋しと涙がしける
会いたい 会いたいよ
つれて行ってよ どこへでも…
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