ふたり坂

「君の家の前まで送るよ」
そっと耳元で囁いて
誰かが聞いているから
睫が濡れるの 思わず知らず
何時もなら駅の改札口で
あなたの姿を見送って
とぼとぼと歩いて帰るの
ひとり夕闇迫る この坂道を
だけど今日は ふたり ふたり坂
影もふたり ふたり坂
遠まわりしたいほど幸福なのよ
今日は ふたり ふたり坂
揺れる ふたり ふたり坂
黄昏のなか 続く坂道

「君の部屋が見えたら帰るよ」
なんて意地悪ね わかるでしょ
私もずっといたいの
繋いだ手は もう離したくない
昨日まで家の玄関先で
笑って別れたひとなのに
灯がともる坂道の隅で
小石蹴ったりしてる 帰りたくない
あああ今日の ふたり ふたり坂
別れつらい ふたり坂
明日も逢おうねってって指切りしても
今日の ふたり ふたり坂
揺れる ふたり ふたり坂
愛の絨毯 続く坂道
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