X・O

明日 この部屋を染める
東の空は何色かしら

窓を開けたら 夜の風が
遠い記憶 運んでくるのよ

昨日 あなたを濡らした
雨はもうやんでいるかしら

噂だけでも 聞きたいのよ
疼く腕は 孤独を抱いてる

1人明かす夜にはもう慣れ切って
弄ぶグラスに面影を映して

静けさにただ寄り添っているわ
耳に残る 声にあの熱に
酔わせて欲しいから

あの日 背を向けた街の
灯りは今も優しいかしら

恋はシャレード 言葉なんて
懐かしむだけ 切なくさせるの

そして カーテンを揺らす
風に髪を遊ばせていると

アネモネはそっと囁くのよ
届かぬ影忘れるようにと

寄る辺無いこの躰攫っていって
二度とは帰らない日々だと知ってはいるけれど

決して消えない跡もう一度
肌に胸に そしてこの心に
刻んで欲しいから
×