馬酔木の花幻想

どうして突然 消えてしまったの
髪をなでる手の ぬくもりも薄れ

闇だけしか 作り出せない
朔(ついたち)の月と
今の私は 同じなの

馬酔木の花の 一房 手折(たお)り
ゆらゆら揺らし 見つめてる
甘い香りの 眩暈が誘う
幻想(まぼろし)でいい 逢いたいの

自分を抱きしめ 夜にふるえてる
涙の雫と 淋しさを胸に

また満ちると 信じられない
朔(ついたち)の月と
恋の行方が 重なるの

馬酔木の花の 一房 手折(たお)り
さやさや揺らし 目を閉じる
どこにいるのと 呼びかけるけど
静寂だけが 聞こえてる

…あなたがいない私の胸を 哀しみだけが通っていく
あなたの他(ほか)は はいれないよう
心をそっと 凍らせて…

馬酔木の花は 風もないのに
ゆらゆら揺れて 泣いている
あなたにもしも 逢えるのならば
幻想(まぼろし)でいい 帰ってきて

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