佃かたぎ

逃げて来たのか この江戸に
故郷(くに)は上方 浪花かい
ひと風呂浴びて 肩の荷降ろせ
安心しろよ この土地は
もとは摂津の佃島

何が何して どうなった
委細訊くほど 野暮じゃない
死にたいなんて 云うんじゃないよ
憂(う)さなら流せ 隅田川
あとはまかせろ このオレに

気兼ね要(い)らねぇ 大船に
乗った気でいろ べらぼうめ
めそめそしてちゃ 鴎が笑う
宵からだって 構わねぇ
つれて行こうか 浅草に
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