関宿しぐれ

今日は関宿 あしたは他国
否でも応でも ここから先は
二つに別れて 夜船が下る
ひとつは江戸川 もひとつは
男が旅立つ 利根川で
アー 別れを惜しみ
降る降る 降る降る しぐれ

宵の関宿 川瀬が騒ぐ
添えない縁の 野育ち二人
はかない一夜の 夢路を辿る
隠れて交わした 盃と
誓った行末 反古になり
アー 涙にせかれ
降る降る 降る降る しぐれ

何で関宿 灯がじれる
私に過ぎたる この旅衣
小袖は母者の 大事な形見
千切った片袖 いつまでも
持ってて下さい 捨てないで
アー 遣らずの雨か
降る降る 降る降る しぐれ
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