北の女

むかしの演歌が 身に沁む夜は
何故かお酒が ほろ苦い
抱けば切ない 女の胸に
未練と云う名の恋がある
ほつれ髪(げ) 悲しい 北の女

寂れた港の 小さな酒場
破れ障子が 良く似合う
風に吹かれた 赤ちょうちんが
待てど戻らぬ 人を待つ
泪で濡れます 北の女

漁火もえても とどかぬ恋を
拾いあつめて つなぐ夢
ひとり注ぎたす お酒に酔えば
海猫さえも 啼いてとぶ
口びる冷たい 北の女
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