たそがれの苺

ひと皿の苺を分け合い
ほろにがい想いかみしめて
くれないに染まる西の空眺め
二人はほのかな夢を食べていた

ぎこちないプロポーズ
ただ若さだけが
心をかりたて 一途に愛を信じてた

何年も月日を分け合い
ひとつぶの愛だけ頼りに
はかないたそがれ苺色の空
いつかしら二人 夢を忘れてた

テーブルに向き合って
ただ遠い眼つき
傷つく心の苦さを知りつくしたあと

ひと皿の苺には
今ほんの記憶
それでも季節の果実は心救うよう

ひとさじシュガーのきらめき
望みを托して
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