眠れる町よ

眠れぬ街の 眠れる人は
一体どんな夢を みてるかな
雲の上に 寝そべって
リンゴをかじり リンゴをかじり
どこに向かって 流れてゆくか
わからないまま 風の吹くまま
退屈すれば 隣の雲に
飛んで渡って くるりとまわり
雲の切れ間に 落ちそうになり
焦ってみたが これが夢だと
わかった途端 力を抜いて
みるみるうちに 墜ちてゆく
体の力が 抜けてくる
甘い魅力に 吸い込まれて
突然なんだか 吹き出して
夜中にふと 目を覚ました

グラスに注いだ 水を飲み
宙に浮いた 心を静ませ
部屋の中を 見回しながら
手を伸ばして 灯りをつける
静かに目を閉じ 思い出す
あの感じは 何だったのか
得体の知れない あの魅力を
どこかで一度 味わったような
けれどもあれは 夢だった
そうだよあれは 夢なんだ
そう思っても 何だか不思議だ
でもまあいい とにかく寝よう
再び出会う 夢の中で
確かめれば いいことさ
灯りのついたままの部屋で
おやすみ と呟き眠る

夢から醒めない 空の果てに
無限に広がる シナリオに
信じ込んだ 小さな理想も
ウソだとはっきり わかってくる
始めがあって 終わりがあって
たどり着ける 今があって
自分の不思議に 気づいた途端
夢は眠りから さめてゆく
明日の事も 昨日の事も
手にとるように わかってく
覚悟を決めた その瞬間に
全ての道が 解き放たれ
リンゴをかじり 雲の上をそう
歩く事を ゆるされる
欲しいものは 何だったのか

眠れる街を
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