傷心の夜

ひとり生きれば 都もさびし
暗い露地裏 仮の宿
思い出しても かえらぬ夢に
更けて涙の 星が散る

忘れたいのに まぼろし浮かぶ
いまは人妻 遠い君
思い諦(あきら)め しあわせだけを
祈る心が なぜ痛む

古い手紙は 読むさえ悲し
どうせはかなく 消えた恋
思い出すほど せつない胸に
吹くな都の 夜の風
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