瀬戸内恋みなと

なみだ色した 漁港(みなと)町
そっと見送る あなたの背中
泣いてあまえて とめれたら
縋り付きたい その腕の中
密(ひそ)かな恋の 人なのに
雨の瀬戸内 濡れて北灘(きたなだ) 恋みなと

背黒(せぐろ)カモメよ 辛いから
連(つ)れて来ないで 想い出なんか
えくぼ 流し目 その笑顔
みんな好きだと 抱きしめられた
あなたの胸の あたたかさ
霧の瀬戸内 燃えた北灘 恋みなと

船がゆくゆく 播磨灘
みれんひとすじ 尾を曳くように
契(ちぎ)るいのちは 無い人と
胸のどこかで なぐさめ諭(さと)す
きりりと黒髪(かみ)を ととのえて
風の瀬戸内 ひとり北灘 恋みなと
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