AFTER ALL

慣れないスーツ シワもつけずに 背筋を伸ばしたまま
吊り革にぎり 瞳を伏せた あの人 見つけた朝
話しかけようとして すぐに言葉をのみ込む私がいた

昔話はじめたら 楽しいことはわかっているけど
これは たぶん 愛じゃない
みんな こうやって 変わっていくのね 知らない人へと

帰り道 また あの人がいた 大人の顔をしてる
まだまだ夜は 寒いみたいね ブラウス 襟を立てた
町の灯またたきだす そうよ 私 今夜は急がなくちゃ

心許す人たちを知った学校も 壊され もうない
あとは 何になるのかな
そして気がつけば 変わっているのね 知らない街へと

あの頃の星たちはもう見えないけれど
あともなく 消えたわけじゃないから

駅から家まで続く川べりの道は 歩き慣れても長い
でも さみしい場所なんてないはず
そこにいる この私だけが たださみしいだけ

変わっていく私でも 未来の私 ほんとに許せる?
誰か 想いはじめたら
それで この気持ち このさみしさも 埋められるかしら

昔話はじめたら 楽しいことはわかっているけど
これは きっと 愛じゃない
家に着いたなら 目覚ましもかけず 眠りにつきます
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