ふるさとは遠きにありて

丘に登れば 遥かに輝(ひか)る
海にかげろう 沸き立つ町よ
夢を追いかけ 夜汽車で着いた
東京ぐらしも 数えて五年…
瞼とじれば あざやかに
あゝ 我が故郷(ふるさと)は 遠きにありて

造り酒屋の 煙突ごしに
吹くかこがらし 真冬の夕空(そら)に
好きと言えずに 背中を向けた
あの娘(こ)は嫁いで いったのだろか…
風の噂に ふり向けば
あゝ 我が初恋は 遠きにありて

明日(あす)は帰ろか 岬の駅に
春が呼んでる ふるさと列車
つもり重ねた 不孝の数を
こころで詫びては また呑む酒よ…
酔えば聞こえる 童唄(わらべうた)
あゝ 我が故郷は 遠きにありて
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