朝、春になあれ

人に踏まれて ゆうべの雪が
かたいかたい氷になった
手を赤くして 溶かしてみたのは
あの子のあの子の為ならなんでも

あの子 私の名前呼びながら
瞳を閉じて追いかけた
峠を越えた夢の向うは
眩しい眩しい菜の花の海です

今夜 あの子がひとりでは
北風の歌にさらわれそうなんです
私のぬくもり あの子に注いで
冬を溶かしてるんです
冬を溶かしてるんです

廊下の長椅子 震えました
窓の外は今日も雪
ベッドの上のあの子の横顔
そっとそっと覗いてみました

今夜 あの子がひとりでは
北風の歌にさらわれそうなんです
私のぬくもり あの子に注いで
冬を溶かしてるんです
冬を溶かしてるんです

ふっと いねむり気が付く頃
空の色が明るく見えた
あの子の胸の音が聞える
きっときっと待ってた朝です
×