築地川

万年橋から 覗(のぞ)いても
涙を流す 川がない
何処へ行ったの 築地川
女ごころの 悲しさを
捨てにきたのに 捨てにきたのに
ああ… ただひとり

この世に尽くして 棄てられて
ふりむく人も 今はない
どこか似ている 築地川
恋の女の 下町に
夢を浮かべて 夢を浮かべて
ああ… 来たものを

潮の香まじりの 川風を
呼んでも昨日は 帰らない
せめて今夜は 築地川
涙忘れて 帰ろうか
幼な馴染みの 幼な馴染みの
ああ…あの頃へ
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