不知火

遥かに 海面を臨みて
静かに 瞼を閉じれば 浮かぶ

もう 泣かないで 其の手離して
眩れ初む 虚空に焔が 仄めくから

遥かに 前世を悔いるも
静かに 現世の熾火が 揺れる

そう 言わないで 風に話して
眩れゆく 凪の辺を 見詰めた儘

灯る 赤く 揺れる
ゆらゆらと 揺らめく

幻の漁り火が 海原を染めてゆく
若しも辿り着けたら 此の身を灼いて

灯る 赤く 揺れる
ゆらゆらと 揺らめく
灯る 赤く 揺れる
ひらひらと 閃く
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