打ち上げ花火

花柄の浴衣姿を
キミに褒めてもらえたから
それだけで充分なのに
心 せつなくて

石段を駆け上がるのは
私とキミだけじゃなくて
こんなに距離が近くても
声 かけられない

入道雲追って
自転車漕いだり
溶けかけソーダアイス
半分こしたり
あっという間だった
嘘みたいだった
だけど全部おぼえてるよ

打ち上げ花火あがる音に
かき消された言葉には
気付かないでね
自分で思ってたより
強くはないみたい

はぐれそうになった帰り道
キミは気付いて私の
手をひいたね
伝わらないでいて
この気持ち いまはまだ待って

眺めてた明かりの先に
キミの楽しそうな声が
遠く聞こえてくるたびに
心 せつなくて

砂のお城
一緒につくったり
真夜中3時
星を見たり
あっという間だった
夢みたいだった
だけど全部ほんとだよ

打ち上げ花火あがるように
想いは隠しきれない
届かないでね
臆病だと言われても
負けたくはないんだ

私に向けるその笑顔が
少しだけ特別だと
気付いたとき
急速に上がる温度
この気持ち いまはまだ待って

ねぇ
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