夜に詠める うた

やわらかな夜に ひとり
手紙を書いています
葉桜の頃 過ぎて
夏の気配

満月の夜に そっと
手紙は捨てましょうか
つれづれなるがままに
春は逝く

木々のざわめきに
風は確かめられる
目に見えぬものにも
涙 あふれ来る

語りつくせずも 今宵
再び筆をとる
君への思いの丈
終夜(よもすがら)
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