愛を忘れた季節

愛を忘れた季節に ひとり寂しく咲く花は
いつか心も 枯れ果てて 震えているだけ……
あの女性(ひと)は私よりも 綺麗でしょうか

諦めて 傷ついて 今・逢いたくて
面影に 叫んでも 声も届かない
重ね合う胸の ぬくもりを 信じていたのに

季節が窓をのぞいて 無理に笑えば虚しくて
触れる唇 色褪せて 戸惑う指先……
さよならの言葉もなく 終わりでしょうか

悔やんでも 憎んでも まだ・愛(いと)しくて
過ぎ去りし 思い出に 涙届かない
恋なんていつも 幻想(まぼろし)と わかっているのに

夢を失(な)くした心に 夜が静かに忍び込む
凍る素肌の 哀しみを 優しく抱きしめて……
幸せにすがる私 愚かでしょうか

置き去りの 残り香に ただ・身を寄せて
思い出に 包まれて せめて眠りたい
輝いた日々の 儚(はかな)さを 感じていたのに
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