蝉時雨

日傘片手に 汗滲ませて
大川端から 夕陽を拝む
あなた好みの この帯締めて
永代渡れば 心が騒ぐ
別れてふた月 涙も枯れて
胸を引き裂く 蝉時雨

拗ねて甘えた 私の髪を
離しはしないと 優しく撫でた
あれは去年の 水かけ祭り
も一度木遣りを 聞かせて欲しい
約束誓った 八幡様に
想い出させる 蝉時雨

未練深川 堀割伝い
粋な三味の音 愛しさ募る
夢であなたに 抱かれていても
醒めれば儚い 孤独(ひとり)が沁みる
そんなに激しく 何故鳴き止まぬ
夏の名残りの 蝉時雨
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