春の朝

昨日はいつの間に眠ったのかな 部屋中の電気もつけたままで
脱ぎっぱなしのセーターに 小さくため息つく

ぼんやりしていたって仕方ないけど 何をすればいいかわかんないし
胸にポッカリ穴があいて なんだかとても寒い

まぶしいアジアの海 ココナッツの甘い香り
少し塩からい キスをした

渋滞もうれしかった ドライブの帰り道
ずっと話してた約束も 全部涙でとけちゃった

とりあえず顔ぐらい洗わなくっちゃ 今朝はやけに水も冷たいな
「あなたけっこうタフなはずよ」 鏡に話しかけた

寝ぐせのひどい頭 並んで歯をみがいた
イヤだな涙が またこぼれた

ポケットで手をつないだ 星が怖いぐらい出てた
ジャリを踏む音が響いていた 全部昨日で消えちゃった

氷で目を冷やして 服を着がえて 何か食べるものを買いに行こう
「恋するんならタフじゃなくちゃ」 鏡に話しかけた

重たい春の空に お日様が照ってきた
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