ちょいときまぐれ渡り鳥

花のお江戸の 風来坊が
ひとり駿河路(するがじ) 富士の山
三保の松原 沖見れば
白帆にじゃれつく 鴎(とり)の群れ
おっとどっこい いけねぇよ
おっとどっこい いけねぇよ
ごめんなすって ちょいと きまぐれ渡り鳥

伊豆の天城峠(あまぎ)で 見初(みそ)めたあの娘
花にたとえりゃ 紅(べに)ツツジ
骨の髄(ずい)まで 惚の字でも
恋など出来ねぇ 三度笠
おっとどっこい いけねぇよ
おっとどっこい いけねぇよ
ごめんなすって ちょいと きまぐれ渡り鳥

小諸(こもろ)離れて 沓掛宿(くつかけじゅく)は
月がおっ母(かあ)に 見えてくる
指のあかぎれ 丸い肩
達者でいなよと 祈るだけ
おっとどっこい いけねぇよ
おっとどっこい いけねぇよ
ごめんなすって ちょいと きまぐれ渡り鳥
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