初恋笠

あなたひとりに 情立て通し
蕾ちらした 旅しぐれ
濡れておもたい 初恋笠が
むすぶ紅緒も えゝ
まゝにならない 恥かしさ

いつかかた気に なるこのひとゝ
思い染め縞 旅合っ羽
唄も仁義も 玄人はだし
うしろ姿も えゝ
どこか小粋な 渡り鳥

山のむこうへ 一刷毛ひいて
雲がながれる 上州路
ついて行こうか 打ち明けようか
とってもせつない えゝ
笠を片手に ひと思案
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