羽取物語

どんな争いも 過去になるけれど
嗚呼 傷跡は癒えず

空に見た光 「現世(いま)」を生きる鳥
その羽を羨むのだろう

奪う事に慣れた奴らは 容赦なく奪う
もぎ取り、踏みつけて、あざ笑う
人間(けもの)たち

幾千の時を越えて 繰り返す歴史の渦
怒りに震えながら 復讐を果たす
そのためだけに全てを耐え続けたこの心は
遠い記憶さえも消し去って 叫んでる

静かな炎がゆらゆら揺れてる
嗚呼 あの夜と同じ

翼の代わりに悪夢を背負って
羽ばたけず 地を這いずった

この背に取り返す事さえ叶わないのなら
痛みを、苦しみを、
同じだけ与えよう

許されぬ程の罪を 誰がどう償うのか
永遠に受け継いで それで満たされるだろうか
どれだけ恨み抜いても もう二度と戻らないなら
死んで、輪廻(めぐ)って、悔やんで、
彷徨ってしまえばいい

幾千の時を越えて 繰り返す歴史の渦
怒りに震えながら 復讐を果たす
いつか最期が来たなら血まみれの羽を抱えて
ずっと望んだはずの安らいだあの空へ

飛び立って眠るんだ
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