眼指

其の 眸に 映されればこそ
此の 世界に 私が 在ると 念ふ

挿げる 詞 つと 応ふ
声は 聴けど 目顔は 通り過ぎる

彼の日 毀れた 情
今は 戻れない 藐き日よ
何時か 窺い 損ぬ
二度と 帰らない 眼指よ

此の 一身を 隠される 如く
其の 世界に 私は 在り得ない

目合ふように じっと 乞うる
目の 指で 瞬ぐ 刹那 捕われるを

彼の日 毀れた 情
今は 戻れない 藐き日よ
何時か 窺い 損ぬ
二度と 帰らない 眼指よ

祈るように 流れ 落つる
離りし 泪 責めて 見留めて 其の 目路に

終に 零れた 顰み
まるで さよならに 代える 目翳よ
渾て 鎖して 消える
愛し 眸から
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