山賊と渡り鳥のうた

雨が降っているのに 傘もささずに
街を飛びだしただろ きっと泣いてたから
君を追ってきた その孤独をぜんぶ奪ってやるよ
凍えそうな世界を 独り占めにするなよ
またあいつになにかされたの?

びしょぬれになれば 涙にも気付かない
白い息を吐いて 居場所を教えてよ
灰色のスーツが僕らを追ってくるよ
逃げよう いつだって
そうやって生きてきただろう

街外れの墓場に さしかかったところで
君はやっと口きいた 声はかすれていた
“どこかへいきたかった 渡り鳥みたいにね”
“何にもなれないまま ずっと縛られてた”
それなら 逃げよう
どこまでもついていくから

びしょぬれになれば すべては洗い流され
寄り添い眠ろう 暖めあう毎日
でも
雨は降りつづける 僕らも歩きつづけよう
白い雪が降って 足跡が残ったら
灰色のスーツが嗅ぎ付けて迫ってくるよ
逃げよう
僕ら そうやって生きるって決めたろ
いつまで続くのか 今は考えちゃだめだ
ほらいこう僕ら そうやって生きてくんだろう
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