初夏の哀悼

青が踊る 雲は高く
届きそうで何故か手を伸ばして
白い線が空に滲む
風が吹いて 夏の香りがして

胸が騒いだ
冷ややかに木陰が揺れて
終わる季節の気配が
またひとつ僕を大人に変えてく

さらさら流されるままで僕らは遠くまで来た
いつの間にか帰れないな
さよならは愛しい思い出と鮮やかな傷を残す
触れてみれば涙こぼれた

青が踊る 雲は高く
届きそうで届かないままで

胸に馴染んだ
孤独が嫋やかに揺れて
終わる時代の景色は
あの坂の上で振り返れば ほら

ただただ遠く延びながら僕の足元へ続く
本当にもう帰れないんだな
坂道を下り始めれば景色は丘の向こうへと
消えてしまう

さらさら流されるままで僕らは遠くまで来た
懐かしむにはまだ早いか
さよならは愛しい思い出と鮮やかな傷を残す
僕のそばでそっと佇むように

青が踊る 雲は高く
風が吹いて 僕らは夏へ
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