秋月

物憂げな 秋の夜長は 目障りで
僕は 僕の人生を ふらり ふらり

妄想だけ 巡るばかりの 狭い部屋で
僕は 僕の人生を ふらり ふらり

「遠くに行きたいね」って
ああ 君の 意味深なつぶやきは
この胸の温度を 少し寝苦しく変えながら
虚しさと葛藤と消耗で 彩られた夜を
そっと秋色に 馴染ませてゆきます

「遠くに行きたいね」って
ああ 君の 意味深なつぶやきは
この夢の輪郭を 少し色濃く変えながら
悔しさと淋しさと焦燥で 弾けそうな僕は
そっと静寂に 溶け込んでゆきます

遠くに行きたいね
いつか この光が 届くところへ

おぼろげな 夢をめぐりて 夜もすがら
僕は 僕の人生を ふらり ふらり
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