風来坊

もしも 何らかの罰ゲームかなんかで
背中に何らかのタトゥーを入れなきゃいけなくなったとしたら
迷わず君の顔を彫るよ いつも泣かしてばかりだったから
せめてそんなときくらい 笑ってる君の顔を彫るよ

“どこほっつき歩いてたの?”
ふくれっ面で訊いてくる君が居なくなって
どこにでもほっつき歩けるようになったはずなのに
何故かどこにもほっつき歩きたくなくなった…

風来坊
そっか そっか そりゃあそうだよなぁ
風来坊
だってぼくはいつだって君に向かってほっつき歩こうとしてたんだもんなぁ

元気でやっているかい? ムシのいい話だけど
たまにはぼくのこと思い出してくれよ
ぼくは今 ふらり立ち寄った焼き鳥屋のカウンターで
鼻の穴にマリッジリングを突っ込んで他の客達から
ドッカリ笑いをとっているところ

“もうちょっとまともな歌は歌えないの?”
ふくれっ面で訊いてくる君が居なくなって
どんな歌でも歌えるようになったはずなのに
何故かどんな歌も歌いたくなくなった…

風来坊
そっか そっか そりゃあそうだよなぁ
風来坊
だってぼくはいつだって君に向かって歌おうとしてたんだもんなぁ
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