二月堂

火の粉が舞い散る お水取り
あの日の別れが また浮かぶ
必ず戻ると 消えた人
崩れそうです 淋しさに
あなた今すぐ 抱きしめて
涙で苔生(こけむ)す 二月堂

三笠の山に 出(い)でし月
あなたもどこかで 見てますか
ぬくもり恋しい この胸に
しみて行きます 夜の風
いっそ忘れて しまいたい
面影揺れます 浮見堂(うきみどう)

髪のひとすじ 唇も
ほかの誰にも 許さない
花の盛りの 短さよ
たとえ散ろうと 悔いはない
あなた今すぐ 抱きしめて
信じて待ちます 二月堂
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