祇園エレジー(お座敷小唄)

富士の高嶺に 降る雪も
京の祇園に 降る雪も
いとしあなたの てのひらに
とけて流れりゃ おなじこと

ひとめ見たのが 縁となり
ほどのよいのに ほだされて
憎いことばを 交すうち
忘れられない 人となる

どうかしたかと 背に手を
どうもしないと うつむいて
目にはいっぱい 涙ため
あなたしばらく こないから

ぼくがしばらく 来ないとて
短気おこして やけ酒を
呑んで身体を こわすなよ
お前ひとりの 身ではない

あなたと言う人 できてから
ほかの座敷が いやになり
まゝになるなら いちどでも
あなたと呼んで 暮したい

歌はさのさか どどいつか
歌の文句じゃ ないけれど
お金も着物も いらないわ
あなたひとりが 欲しいのよ
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