姉妹酒場

黒田節なら 盃乾して
唄いなさいよ お客さん
「酒は呑め呑め 呑むならば」
槍を今夜も呑み取るような
洒落た気分の 姉妹酒場

淋しがり屋も 三人寄れば
苦労忘れの 唄が出る
「酒は呑め呑め 呑むならば」
知らぬ同志が身の上話
こゝろ寄せ合う 姉妹酒場

とても素面(しらふ)じゃ 無口な人も
酔えば故郷の 自慢する
「酒は呑め呑め 呑むならば」
母の待ってる野菊の村が
思いだされる 姉妹酒場
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